企画「一匹豚が長年の夢をかなえるようです」二回目

さくら姉さんがんばれー!!
もしかして高岡×さくら姉さんフラグですかこれは?
あ、ボウケンジャーの話。
どうも、一匹豚です。「疲れた。が、楽しい。」の続きです。
ほんとに長年の夢だったんですよ。ええ。
それではどうぞ。

第一章



「ロナルド・アデヤ卿が不可解きわまる情況のもとに殺害されて、
 ロンドン中の興味をわきたたせ、上流社会を震え上がらせたのは、
 一八九四年の春のことだった。」
・・・・・・・・と、そこまで読んだところで、不意に本の世界から
ひきもどされた。
「ねぇ、せっかくの休暇なんだからもっと外の景色とか
 楽しもうよー。はっぱが赤くなっててキレイだよ♪」
・・今、僕の肩を容赦なくガクガクと揺さぶっている、彼女のことを
少し紹介しておこう。

彼女は「弥 海砂(あまねみさ)」。職業はティーン雑誌のモデル。
最近はテレビ出演もしているらしい。
彼女と僕が出会ったのはある事件がきっかけなのだが、それを語りだすと
長くなりそうなので、また別の機会に話そうと思う。
で、その事件の後に、彼女のほうから交際を申し込んできたので、
現在、僕たちは一般的に言う「付き合ってる」状態にある。
しかし、「付き合う」というのも楽ではない。どこからかぎつけたのか、
彼女の親衛隊を名乗る組織から無言電話がかかってきたりすることも
しょっちゅうある。正直もう疲れた。
なんでそんな目にあいながらも彼女と付き合いつづけているのか
自分でもわからないが・・・・・まあそんなことはたいしてここでは
重要ではないので、詳しく話すのはやめておこう。
で、冒頭の場面にもどるわけだが・・・・・

まあ確かに、こんなところまで来て本ばかり読んでいる、というのも
もったいないし、彼女の言葉にいちいち反論する理由も見当たらない
ので、とりあえず、「そうだね。」と笑顔でかえしておいた。
その言葉通り、本のページにしおりをはさんでカバンにしまい、
車窓のブラインドを開けると―――――
まるで山が燃えているかのような見事に紅葉した森が
そこに広がっていた。
おそらく日本中さがしてもなかなかないと思われるほどの絶景である。
あえてここではそれ以上風景について言及しないことにする。
あんまり説明してると逆にそれで風景の美しさが損なわれてしまうような
気がしたので。
そんな風景にぼーっと見とれながら、なぜか僕はここまで来た経緯を
思い出していた。

9月の中旬ごろだろうか、僕はある事件の捜査に携わっていた。
その事件は実は僕の捜査会議での発言がもとで解決を見たわけだが、
いや、決して自慢話をしたいわけではない。
まあ、その事件が解決したので、僕は一週間の休暇をもらい、
以前同僚から聞いた温泉に行くことにした。
早速、旅館に予約の電話を入れ、荷造りをしていると、ふと、
彼女の顔が思いうかんだ。・・・・・一応、旅行に行くから一週間くらい会えない、
ということだけでも伝えておこうと思い、彼女に電話した。
いや、この時点では、まさか彼女もついてくることになるなんて全くの
想定外だった。今となっては、全く甘い考えだったとしかいいようがない。

電話でその旨を伝えると、彼女は、
「え~、月(ライト)だけ行くなんて
ずるいよ~。ミサも連れてってよ~。」
と言い出したので、
「君も仕事が忙しいんだから別に無理しなくていいよ。」
と遠回しに断ったつもりだったが、
それは全く無駄な抵抗だった。
「え~、ミサも仕事忙しいけど、お休みだってとれるし、
 月のためなら地の果てまでついてくよ♪」
と言われて、そのままずるずると彼女のペースに引きずられ、
受話器を置くころにはすでに彼女がついてくることになってしまっていた。
こうして僕のしずかな温泉宿でのんびりする計画はもろくも崩れ去ったの
だった。

で、今はその温泉宿に向かう列車に乗っているわけだが、
なるほど、同僚が言ってたとおり、ちょうど今が紅葉のピークらしい。
木々という木々が赤や橙、黄色に染まっている。
幸いにも、この車両には僕たちのほかに乗客はいない。
なんだかこの景色を独り占めしたかのような優越感に10分くらい
ひたっていただろうか。しかし、そんな時間は長続きせず、
不意に静寂はやぶられた。

ガラッ、と後ろの車両のドアを開ける音が聞こえたのだ。
とっさにミサがサングラスと帽子をかぶった。
誰だろうか。車掌だったらさっき切符の確認に来たばかりだし、
駅弁売りがいるとも思えない。もしかしたら他に乗客がいたのだろうか、
などと考えをめぐらせていると、だんだん足音は僕たちの座っている席の
ほうへ近づいてきた。ミサも気配を感じたのだろう、顔をふせて
うつむきかげんになった。
ぴたっ、と足音が突然止まったので思わず通路のほうをむくと、
足音の主と目が合ってしまった。

とりあえず一番最初に目に付いたのは、黒い瞳。
むこうも思いっきりこっちと目があってしまったので驚いているのだろう。
目を丸く見開いている。そして、目立つのが目の下の大きなくま。
思わず、「お疲れですか?」なんて聞いてしまいそうだ。
落ち着いてよく見てみたら、頭の先からつま先までどこか変わった
感じのする人物である。
髪型は、黒髪を別にワックスで固めているわけでもなさそうだが、
後ろにはねさせている。少しゆるめの白い長袖を着て、下には
色が抜けてだぼだぼのジーンズをはき、
手にはそうとう使い込んでいそうな年季ものの旅行カバン、
そして、古い運動靴をはきつぶしている。
見れば見るほど奇妙である。
ところで、彼と目があってから実はこの時点で3秒くらいしかたっていない。
一応、僕も警察の人間である。
人の特徴を観察するのは割と得意なほうだ。

そのまま5秒くらいお互い観察するように見つめあっていただろうか。
すると、彼のほうから話かけてきた。
「あの・・・・ここに座ってもいいですか?」
一瞬どう答えていいか答えに困ったが、彼の風貌は奇妙ではあるが
とくに不審な人物という感じもしなかったので、ミサに小声で聞いてみた。
「いいですよって答えてもいい?」「月がいいならいいよ。」
こういうときにはすんなり言うことを聞いてくれるので助かる。
「どうぞ。いいですよ。」
と答えると、彼はうれしそうに
「ありがとうございます。」
と小さく会釈して僕たちと向かい合わせに座った。

「なんだか別の車両にひとりでのってたら人恋しくなりましてね。
すいません。お二人の邪魔をしてしまったようで・・・・」
と、彼が言うので、
「いえいえ、全然そんなことないですよ。」
と笑顔で応じた。
「それなら良かったです。」
と彼も少し安心したように小さく笑った。
とりあえず「あなたもここの温泉に?」
と聞いてみた。なぜか仕事上の癖である
「会話の主導権をにぎる」というのが出てしまった。彼は、
「ええ。仕事がひと段落したので温泉でのんびりしようと思って。」
と答えた。
なんだ、僕と同じじゃないか、と少し親近感をおぼえつつ、
「奇遇ですね。僕もそうなんですよ。」
と返す。
「そうなんですか・・。・・・・・もしかして、なにか警察関係のお仕事を
なさってるとか?」
一瞬、図星をつかれたので思わず目が点になってしまった。
なんで会って一分もまだ話していないはずの僕の職業がわかったんだ?
と軽くショックを受けていると、
「あ、その顔は、当たりでしたか。」
と彼はニコニコと微笑みながら答えた。
なんだかくやしいので、
「どうしてわかったんです?」
と、問い返してみた。すると彼は、
「簡単な推理ですよ。まず私がこの車両のドアを開けたとき、
 あなたは外の景色に見入っていたふうでしたが、
 すぐに私の気配を察知していろいろ考えてるように見えましたし、
 さっき目があったときもじっと私のことを観察してるようでした。
 それに、話してるときもなんだか会話の主導権をにぎろうとしてるように
 感じたので・・・・・以上の点から、『観察眼にすぐれた人物』というのが
 感じられたし、なんとなく、まあこれは勘ですが、
 分析力にもすぐれていそうだなあ、と思ったので、最初は
 『学者さんかなにかかな』とも思ったのですが・・・・・
 なんとなく私と同じにおいがしたので・・・・
 まあ、推理7割、直感3割といったところです。」
と彼はいった。シャーロック=ホームズを気取っているのだろうか。
いや、気取っている、というよりはむしろ本物に近い域に達している。
「まさか、あなたは探偵をなさっているとか?」
と半ば冗談交じりに聞いたら、
「よくわかりましたね。そうです。地味に私立探偵事務所をやってます。」
と彼は答えた。





ごめん。部活にいかなきゃなので中途半端ですがこの辺で。
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