小話 「グレゴリーハウスの大掃除」 中編

前回の続きですが、意外とこれどこで
切っていいかがわからないんですよね・・・
前編よりも若干長めです。
前編はこちら



クラウスたちが2Fへあがって行ったその直後、
誰もいなくなったクラウスの部屋のドアをノックする者がいた。


「クラウスー?開いてるから勝手にはいるよー?」


自分の部屋の片付けに行き詰った、マリアだった。


「なんだ・・・いないのか・・・・・・・・」


そして、おもむろにベッドの下をのぞきこんでみる。

「・・・・・・何もない・・か・・・・・・・・・・・・・うわっ!?」


背後に何者かの気配を感じ、振り返ると、
そこにはネコゾンビが立っていた。


「びっくりした・・・・驚かさないでよ・・」
「ごめんごめん。それよりマリア、クラウスの部屋で何をしてるニャ?」
「それは・・その、ちょっとクラウスの進捗状況を見るついでに
 話でもしようと思ってきたら、どっか行っちゃったし・・・」
「ああ、それなら僕も同じニャ。でも、なんで
 ベッドの下なんかを覗き込んでたニャ?」
「う・・・それは・・・・・・ちょっとした出来ごころっていうか・・
 でも、何もなかったよ。・・・・・ちょっとつまんないけど。
「あんまりそういうことばっかりやってると、
 さすがにクラウスも怒ると思うニャ・・・」
「以後、気をつけます・・・・・」

ふと、机の横の小さなテーブルの上のフィギュアに目が留まる。
やたらカクカクしたカラフルなキャラたちが並んでいる。

「へえー、こんな趣味もあるんだ・・。
 ・・・・もしかして、こういう趣味に走っちゃってるから
 怪しい本とかそういうのに興味ないんじゃ・・」
「マリア・・そういう邪推はよくないってさっき
 言ったばっかりニャ・・・
 それに、そういう本はそんなベタな場所に置いといたり
 しないニャ・・。

「うぐぐ・・・そうでした」
「とりあえず、帰ってくるまでここで待つニャ。」
「うん。」



そのころ2Fのジェームスとクラウスは・・・・

「で、どうやって行くの?」
「2Fのずっと空き部屋になってるスイートルーム、
 あそこにちょっとした仕掛けがあるらしいんだよね。
 もちろん、仕掛けの解除方法も調査済み。」
「へえー、すごいね・・・でも、あそこって鍵かかってなかった?」
「おじいちゃんが寝てる隙に、こっそり持ってきちゃった。」
「・・・・・恐ろしい子・・・・というか、なんてズサンな管理・・」
「さ、着いたよ。」

二人は周りを警戒しつつ、静かにドアを開けた。
中は思ったよりも広く、ベッドも、普通の客室用のものより
大きいものが置かれていた。

「わーお・・・・これがキングサイズのベッドってやつ?
 初めて見た・・・」
「こうなったら、もうやることは一つでしょ!」
「え・・・・?」

そう言うと、ジェームスはベッドに飛び乗り、
ピョンピョンと飛び跳ねた。

「やっぱりスプリングが違うね!イエーイ!」
「た、楽しそう・・・・よーし、やるか!」

クラウスも、文字通りの飛び入り参加で
一緒にジャンプし始めた。

「ねえねえ、天井にタッチできる?」
「余裕余裕!見ててよ・・・トウ!」

勢いをつけてジャンプしたクラウスの手は、
確かに天井に届いたが、
着地のときの体勢が悪かった。

「いったー!!」
「クラウスだっさーい!ニャハハハ!」
「う、うるさい!つい乗せられてしまった・・・
「さて、遊ぶのはこれくらいにしておいて、
 そろそろ本題に参りますか・・・・
 ここをこうして、エイッ!」

ジェームスが仕掛けを作動させると、
チャララララララン♪
と音がして、上へと続く階段が出現した。

「こんなゲームみたいな仕掛けがあったとは・・・」
「よーし、突撃ー!」
「うわ、待てよジェームス・・!」

階段が出現するやいなや、
すごい勢いで上っていくジェームス。
クラウスも遅れて後を追う。
上まで上ると、そこには仰々しいデザインのドアノブがついた
小さなドアがあった。

「じゃあ、開けるよ・・。」
「待った!トラップが仕掛けられてるかも・・」
「じゃあ、クラウスが開けなよ。」
「ここはジャンケンで決めよう。最初はグー、
 ジャンケン・・パー!」
「チョキ!」
「はい、クラウスの負けー。」
「うう・・・・こんなこと言うんじゃなかった・・」

意を決してドアを開けたクラウスだったが、
予想に反してトラップは仕掛けられていなかった。
しかし、その部屋のあまりの奇怪さに
彼は言葉を失ってしまった。

そこには、古今東西ありとあらゆる珍しい骨董品が
集められていた。
恐竜の化石、
などはまだ普通の部類で、中には河童のミイラや、
宇宙人のホルマリン漬けなど、ギョッとするような
コレクションもあった。
しかし、それにも増して奇妙で、恐ろしいのは・・・

「クラウスー!見てこれ!」

ジェームスが指差す方向には、
覆いがかけられた木製の機械?のようなものがあった。

「なんかそれ、触らないほうがいいんじゃ・・・」

ジェームスはクラウスの忠告など全く聞こえていないようで、
機械に開けられた穴からのぞいている人形を取ろうとしている。

「うーん、なかなかとれないな・・・エイッ!」

ジェームスが人形をつかんだその瞬間、
ガチャッ、となにか嫌な音がした。
同時に、その衝撃でかかっていた覆いが取れた。

クラウスは心臓が止まりそうだった。
その機械は・・・・マンガや歴史の教科書で見たことがある、
ギロチンだった。
ジェームスが人形を握っている手を離せば、
たちまちあの恐ろしい刃がジェームスの腕を
切断してしまうだろう。

「ジェームス・・・絶対に手を離すなよ・・」
「なんで?」
「いいから・・・じっとして・・・」
「・・・・・・やるなやるなっていうのは、
 つまりやれってことだよね?
 エイッ!」

ジェームスが手を離した瞬間、クラウスは
思わず目をつぶってしまった。
ああ、ジェームスの性格をよくわかってない自分が
悪かった、と心の底から悔やんだ。
しかし、いつまでたっても、刃がジェームスの腕を
切断するような音も、悲鳴も聞こえない。
恐る恐る目を開けると、刃は寸前で止まっていた。

「スリル満点だね!」
「寿命が十年縮んだ・・・」

力が抜けたクラウスは、その場にへなへなと
へたりこんだ。
ジェームスはというと、懲りずに他の拷問道具を
物色している。

「この木馬はどう?乗ってみない?」
「それも、乗ったらヤバそうだからエンリョしとく・・」
「じゃあ、この中に入ってみる?」

見ると、女性をかたどった大きな人形の中が
空洞になっており、その中には長い針が何本も取り付けてあった。

「串刺しも嫌だな・・・・」
「もー、ワガママだな~。あ、これはどう?」

ジェームスが駆け寄った先には、
大人二人の体がすっぽり収まりそうな、
巨大な棺おけがあった。
フタは木製の枠にガラスが取り付けられていて、
中が見えるようになっている。

「よーし、入っちゃお!」

クラウスが止める間もなく、
ジェームスは重そうなフタを軽々と持ちあげて
中に入ってしまった。

「ねえねえ、けっこう広いよこの中!クラウスも入らない?」
「えー・・・・」

しかし、一応他の明らかにヤバそうな
拷問道具に比べれば、全く害はなさそうな、普通の棺おけに見えた。

「じゃあ、これ入ったら帰るからね?」
「うん。」

そして、クラウスもフタを持ち上げて、
中に入った。

と、その瞬間、カチャッ、とまた嫌な音がした。

「え・・・?何今の音・・。」

クラウスはフタを開けようとするが、
鍵がかかってしまったようで、びくともしない。

「外からは開くけど、中からは開けられない・・・・
 もしかして・・・・閉じ込められた!?」
「そうみたいだね。」
「こんなところで干からびて死ぬなんていやだー!!」

しかし、クラウスの叫びは、むなしく闇に消えていった・・・・・





ちょっと長くなりましたが、今回はこの辺で。

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