SS 「worldend」-Ⅰ

おそらく最初で最後になるであろうシリアスな
お話です。
これだけ「SS」と表記されてるのは、
シリアスなストーリーの略です。
前回あまりうまくはれなかった伏線?を
どれだけ生かせるか・・・・・・がんばります。
あと、キャラ紹介と、
もしよろしければ前回の話を見てもらえるとよりわかりやすいと思います。
(もちろん見なくても大丈夫だと思いますが・・・)



一体いつからだろうか、眠れなくなったのは。
もはや悪夢さえも恋しい。一応ベッドに横になって
目をつぶってみるが、全く効果はなかった。
ただただ、無意識の海に向かって、落下しつつあるのだけど、
いつまでもいつまでも着水できない。
不思議と、疲れは感じていなかった。
もう体が勝手に動くのにまかせるだけ。
また、いつものパターン。自室のドアを開けようとするが、
妙に重たく感じる。
なんとか腕に力を入れて押し開け、
暗い廊下にでる。


もう何時なのかもわからない。
隣のネコゾンビの部屋の前まで来て、
果たして自分にこの重いドアを開けられるのかと、少し悩む。
意を決してドアノブに手をかけ、全体重をかけて開けようとしたが、
ドアはびくともしない。幸い、中にいたネコゾンビがドアを開けてくれて、
ようやく入ることができた。

「クラウス・・・・いつにも増して顔色が悪いニャ。
 最近はちゃんと眠れてるかニャ?」

小さく首を横に振る。
疲れは感じていないが、体が思うように動いてくれない。
やっとの思いで口を開き、言葉を発する。


「何か・・・・・大切なことを忘れてる気がする・・・・」
「今は何も考えないほうがいいニャ。
 無理して思い出そうとしないほうがいいニャ。」
「もうそれもできなくなった。
 どこにも逃げられない。
 何をしていても、ずっと語りかけてくる。
 思い出せって、耳元でささやいてくる。」
「何か環境が変わると眠れるかもしれないニャ・・」
「・・・・ちがう・・・環境・・・・そうだ、あそこだ・・」
「クラウス、どこに行くニャ?」
「最後に眠れた場所・・・・・・」



それだけ言い終えると、ネコゾンビに手伝ってもらって
ドアを開け、外に出る。もう足取りは重くなかった。
あそこなら、安らかな、誰にも邪魔されない眠りが訪れるにちがいない。
そう思うと、階段を上るのもそんなに苦ではなかった。


そして、もうどうやってたどり着いたのかもよくわからないが、
かつてジェームスと探検した秘密の3Fの小部屋にたどり着く。
中に入り、手ごろな大きさの棒を探す。
とうてい今の自分には、あの重い棺のフタを
持ち上げる力はないだろうから。
ちょうどいい棒が見つかったので、早速てこの原理で
フタを持ち上げ、開いた隙間に体を滑り込ませる。
思いのほかうまく入れたと思い、フタを閉じる。

閉じると、あとは、本当に真っ暗でなにも見えない、
真の闇が訪れた。







あくる朝・・・・・・

今日もパチッ、と目が開き、すっきり目覚められた。
うーんと伸びをして、まだぼんやりしている頭で考える。
そういえば、クラウスとは最近全く会っていない。
噂によると、時々夢遊病のように廊下をフラフラと
さまよっていることがあるらしい。
それが本当なら、相談に来てくれればよかったのに。


どうも頭から、ひどい顔色をして廊下をさまよっている
彼の姿が離れない。
なんとなく、いてもたってもいられなくなって、
クラウスの部屋に向かう。
中をのぞいてみても、彼の姿は発見できなかった。
急いでネコゾンビの部屋のドアを開ける。
しかし、そこにも彼の姿はなかった。


「ネコゾンビ、クラウス見なかった?」
「・・・・クラウスなら昨日の2時くらいにここに来て、
 話をしたニャ。」
「なんて言ってた?」
「何か大事なものを忘れてる気がするって言ってたニャ。
 そのせいで最近は眠れないって言ってたニャ。」
「何か・・・・大事なもの・・・・・」
「その後、最後に眠れた場所に行くって言って、
 フラッと出て行ったニャ。」
「最後に眠れた場所・・・・・・・・・?」
「マリアはなにか心当たりはあるかニャ?」
「・・・・・心当たり・・・・・・・
 もしかして・・・・・・・あの部屋?
 ありがとうネコゾンビ。とりあえず探しに行ってみる。」
「よろしく頼むニャ。あと、クラウスが寝てたら起こさないほうが
 いい気がするニャ・・・」
「わかった。じゃあ行って来るね。」


ネコゾンビの部屋を出て、足早に階段を駆け上る。
たぶん、クラウスが向かったのはあの部屋だ。
2階スィートルームのドアを開け、本棚の仕掛けを
作動させる。
すると、やはり最近人が来たような痕跡があった。
ホコリの積もり具合から、途中で倒れて、這って進んだことも
わかった。
急がなければ・・・・・・

ドアを開けるが、一見しただけでは彼の姿は確認できなかった。
しかし、絶対にここにいると確信できた。
前に彼とジェームスが閉じ込められていた棺桶のほうへ駆け寄る。


すると、やはり彼はそこにいた。
しかし、彼の姿を見て安心するはずが、
逆に絶望のどん底に突き落とされた気がした。
彼の姿は・・・・・まるで・・・・

目は閉じられ、手はお腹の上で組んでいる。
その顔には、なんといっていいのかわからないが、
いわゆる死相が浮かんでいる気がする。


・・・・・・これじゃまるで、死んでるみたいじゃないか。






目を閉じて、ここに横たわったのは何時間前だろうか。
よくわからないが、まぶたに光を感じ、朝か、昼であることは
わかった。
しかし、ずっとこうして死んだように横たわっていても、
安らかな眠りは訪れなかった。

と、突然頭が内側から割れるように痛み出した。

前にもこんなことがあった。

・・・・・・・・・・何か、今の痛みで、頭の中に埋もれている
記憶が、呼び覚まされるような気がする。

何だ・・・・・・・・・・?

・・・・・・・・あともうちょっと、のどのあたりまで出掛かって
きた気がする。








続く







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